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商品詳細

稲垣足穂自筆葉書29通 ■ 昭和35〜44年

販売価格: 550,000円(税込)
数量:
【商品名】 稲垣足穂自筆葉書29通
【差出年】 昭和35〜44年
【状態】 経年相応の劣化有
【備考・コメント】
作家・稲垣足穂は大阪市船場生まれ、兵庫県明石市育ち。葉書は何れも神戸在住(昭和37年中途までは宮城在住)の田中稔という友人宛にペンで書かれたもので、長文が比較的多い。寒中見舞い、転居通知を各1通含む。また、四色のクレヨンで描かれたイラストに与謝蕪村の句を添えた葉書も1通見られる。

●“(前略)…明石はもともとドライな土地でしたが、戦火で焼けてしまってから、風情は皆無になったらしいです。「明治天皇の趾」が、彼等及びラジオの歌のお寺です。もっとも簾越しの少年のシーンは、西の方の無量光寺を指しますが、これも焼失。山の人というのは、丘辺の明石神社背後の高台、ここも今は家が立ちつまってきている筈。いつか、あなたを御案内してみる折がこないとも限りませんが、海岸の松もなくなり、夜の磯ぎわの波の音にでも昔をたずねて貰うの他はなさそうです。全集はユリイカにいくらか残っていたようですが、売切れました。今はどこにもありません。東京辺の変った古本屋に頼んで、出物を待つ以外はないようです…(後略)”
(昭和37年9月4日消印)

●“私は明石で育ちましたが、夏季の瀬戸内海沿岸の特有の夕凪の蒸暑さは今日でもぞっとする思い出です。しかしこの桃山も暑いです。私の小屋は西向きですからね。しかしこれもこの夏が最後になる筈です。この次はもっと暑い所かそうでもないか未だ判りませんが、ともかく辛抱するより手はありません。もうタネぎれで、今後は『作家』にも毎月というわけには参りませんでしよう。しかし十月号には、おかげさまで松帆浦を載せることができました。タイル方丈記で「未知なるぬくみの魅力」とはうがち得て妙です。ダダイストのマンレイ氏は、西洋便器のふたで「扉叩き」を作っていますが、この思い付きはよろしい…(後略)”
(昭和42年8月26日消印)
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