【商品名】 あるＢＣ級戦犯宛の直筆寄せ書き帳
【刊行年】 昭和25年1月
【状態】 経年相応の劣化有
【備考・コメント】
巣鴨プリズンからの出所間近を控える 「Ｋ・Ｙ」 氏宛に、同じく戦犯容疑で収容されていた全約110氏が直筆メッセージを綴ったもの。
B5判、141頁に記入。長文多し。

“昭和二十三年の九月だった。私が既決になって創めて４Ｂに移されたとき、廊下で突然知らない人から声をかけられた。「オイ！何年だった？」 「十七年です」 「まあ、イイヤ！その内に何かいいことがあるよ、元気でやれよ」 と歯切れがよい東京弁でチャリチャリとやられたが、後になってその人がＹさんだった。巣鴨の人気男で誰からも親しまれていた。大きな声でどなっているときは落雷の感があるが決して悪い気持はしない。そしてＹさんはなかなかの純情でひと一倍親思ひで齢老いたお母さんを残してすでに五年になるがＹの心中は察するに余りあります。而しもうすぐＹさんの希望も入れられるでせう。御多幸をお祈りします。”
「昭和二十五年一月二十六日記　Ｇ・Ｕより」