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ホーム教育/学校/児童文化雑録 ☆神保格・木子七郎・後藤慶二・鳩山秀夫・薩摩治兵衛・穂積重遠・永持源次・石黒忠篤・鈴木米次郎ほか登場 ■ 新井博次 藤田嗣治木版画入 昭和10年
商品詳細

雑録 ☆神保格・木子七郎・後藤慶二・鳩山秀夫・薩摩治兵衛・穂積重遠・永持源次・石黒忠篤・鈴木米次郎ほか登場 ■ 新井博次 藤田嗣治木版画入 昭和10年

【商品名】 雑録
【著者名】 新井博次
【刊行年】 昭和10年
【状態】 概ね良好
【備考・コメント】
和本、菊判、217P+口絵・序。
高等師範学校附属小学校訓導・新井博次が受持つ学級の入学から卒業までの全六年間を記録した日誌 (明治23年4月9日〜同29年3月19日内) である。限定50部の孔版刷で関係者のみに配布された。
同学級の生徒の一人であった言語学者の神保格が巻頭にて自筆の原本 「発見の由来」 として以下を認めている。 

“之は折しも大正5年の末現大塚窪町高師構内の附属中学校の校舎裏手物置の中の古い書類やガラクタの中に混じって居たのを当時の附属中学校教諭体操受持ちの宮下○太郎氏によって整理中発見されたのです。 『雑録』 をあけて見ると神保格等の名前が所々にあるので 「君の事が書いてあるが知って居るか」と示されたものです。よって大正6年2月7日の築地水交社で催された附属中学十四クラス会の折自分が之を持参してお目にかけそれから大評判になったものです。 (中略)
新井先生の 『雑録』 は小学校時代即ち神田一ツ橋時代のものであるのに何故に附属中学校の物置にまぎれ込んだのか分りません。移転の際のゴタゴタから生じた事でしょうがよくもこんなものが残されて居た事と思ひます。”

同じく生徒の一人で建築家の木子七郎は 「新井先生雑録複写について」 として以下を記す。

“之を複写すると奮悪が露見して恥を天下にさらす訳ですが通読して見ても最も不良であったのは私位のもので皆さんは仲々行儀がよかった様でもありますから自分が主宰して複製するならばどなたからも抗議が出ようとも思はず又かくの如き珍品を当時の腕白小僧が昔を憶ぶ為に座右におく事もうれしい事と思ひまして仕事の暇々に調えた次第であります。”

上記の二氏の他にも生徒には後藤慶二・鳩山秀夫・薩摩治兵衛 (二代目。治郎八の実父)・穂積重遠・永持源次・石黒忠篤等、後に各界で名を成した人物が奇しくも多数名を連ねている。更には途中より唱歌教諭に鈴木米次郎を迎え、大変豪華な面々である。
巻頭には 「恩師新井先生小照」 「当時の校舎」 「学校平面配置図」 「昭和十年春 日清戦争当時のいたづらっ児の生き残り共署名す」 等の印画紙10枚を貼り込み、また、彼等と同期ではないものの、同じく同校で学んだ藤田嗣治 (!) が描く 「附属の小僧」 と題した彩色木版画(画像参照)を挿入するという粋な演出もニクイ。
尚、木子によれば原本の保管を穂積に託したとあるが、現存は如何に…。
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