【商品名】 戦後復興期 『婦人之友』 全107冊完全揃一括
【発行元】 婦人之友社
【刊行年】 昭和20〜29年
【状態】 経年相応の劣化有　
【備考・コメント】
A5判、一部合併号及号数表記の誤植有。
激動の戦後昭和20年代に発行された全107冊 （昭20年6・7月合併号〜昭29年12月号） 完全揃。
昭和20年6・7月合併号 （39巻6・7号） は終戦直後の発行と思われ、巻頭には “敗戦” や “8月15日” 等の言葉を使用した羽仁もと子による記事 「世界史上に新日本を創造れ」 を載せて今後の指針を掲げる一方、本文には 「一億農兵を志して」 等が掲載され未だ戦時色濃厚な記事と混在している。
一部に多少のイタミが見られるが、粗悪な用紙を使用したこの時代のものとしては全体的に保存状態概ね良好。　　

“我々は今戦敗国としての約束を、勝利者に対して毫末の未練もなしに生きて行かなくてはならない。そのためにさまざまのことがある。それはアメリカの故でなく、より多く敗けた我々の故である。さういう事のある度に、一々神経を悩ましていては、静かに深き悔改めに到達することが出来ない。徹底的な悔改めに到ることが出来なければ、大いなる新日本の萌芽を、この焦土の中から発見することが出来ない、與へることが出来ない。 （略）
占領地に於ける我が一部軍隊の信ぜられぬほどの暴行や、深夜の上野駅に自ら集まってくる行き場所のない人々のあることなど、何と私たちはうっかりしているのだろう。何も知らずによい気になっている私たちなのだろう。今は我が国民の弱点の悉く明るみに出る時である。堪え忍んですべてのことを、ハッキリと見よう聞かう考へよう。 （略）
何につけてもマッカーサー元帥の人格と、この重大事において、アメリカ国民の建国以来の主張である所の自由の輝きの、一層真実なものであれかしと、私は一人の日本人として、我が祖国のためのみならず、世界平和の恒久的基礎のために祈ってやまない。”
（昭和20年8・9月合併号所収、羽仁もと子
　　　　　　　「恒久平和のために與へられているこの一歩」 より）