【商品名】 布哇のある収容所に抑留されていた日本軍人による「歌集」他三冊
【刊行年】 昭和21年
【状態】 『再土』の表紙にシミ、各経年相応の劣化有
【備考・コメント】
日本軍人第二大隊短歌研究会発行の歌集『潮騒』(昭和21年11月刊)、同歌集『潮騒 第二輯』(昭和21年12月刊)、日本軍人短歌研究会附属第二大隊俳句部発行の句集『再土』(昭和21年11月刊)、以上の三冊一括。
各冊の「編集後記」や、本文内容から判断して、本書は布哇のある収容所に抑留されていた日本軍の有志によって、祖国への帰還間近を記念して発行されたものと思われる。
三冊何れもA4変判と比較的大きなもので、本文は孔版刷で60葉ほど、所々に肉筆の水彩画が挿入されており、麻のような素材の表紙を被せて紐で綴じている。
●“私達の決して短いと思はれなかった此の特異なる生活とも愈々別離の時が来た。思ふに過去三年有余敵の厳重な監視下にあり、その銃口の先に私達は位して来た。悲惨に悲惨は重なり苦悩に苦悩は重ねられて、其処に何ものかを把握せんとし、何ものかを信じようとしてもがいた。それは通常人の想像だに難きことである。そしてそこに生れたものが詩であった。”
(『潮騒』所収「編集後記」より)