【商品名】 神田区三河町「国語伝習所」大判卒業写真四枚
【刊行年】 明治期
【状態】 下記参照
【備考・コメント】
明治22年に杉浦鋼太郎が創設した国語伝習所は、落合直文・平田盛胤・金沢庄三郎・佐々政一らを講師に迎え、国語・国文を教授していた私塾。学科を高等・普通の二科とし、高等科は毎週土曜と日曜日に授業を行い、修養年限は一年。普通科は毎週日曜日に授業を行い、修養年限を六カ月としていた(明治31年刊『東京遊学案内』参照)。
本品は、一高教授を務める傍ら、同所の講師も兼務していた今井彦三郎氏旧蔵品。
何れの写真も台紙付で、サイズは34×42cm程。
(1) 裏面に「明治33年9月国語伝習所第十回卒業生の○○より受領す」と墨で書かれた卒業写真。
人名は、杉浦鋼太郎・平田盛胤・高津鍬三郎・飯田永夫ら六人の名だけが認められている。ちなみに、今井彦三郎も前列中央に顔が見える。写真に少シミ、台紙下部にシミ有。
(2) 裏面に「明治36年9月」とだけ書かれ、杉浦鋼太郎・落合直文・今井彦三郎・飯田永夫・岩崎翠子・金沢庄三郎・小杉榲邨ら写真に写る面々の人名と、「高等科卒業」「普通科卒業」「幹事」「講師」の肩書が刷られた用紙が貼り込まれた一枚。
明確な「国語伝習所」の記載は無いが、その面々から判断して「国語伝習所」の卒業写真と見て間違いないだろう。
(3) 裏面に「明治37年9月国語伝習所高等科九回普通科二十一回卒業生人名」と刷られた用紙が貼り込まれた一枚。
写真に写る面々は、杉浦鋼太郎・今井彦三郎・芳賀矢一・黒川真道・小出粲・松井簡治・千秋季隆・和田英松・村上いそ他。各卒業生の出身県や、「講師」「来賓」等の肩書入。尚、残念ながら平田盛胤と福島四郎が写る箇所にのみ黒ずんだシミがあり、両者の顔はほとんど見ることが出来ない。
(4) 写真面の右端に「国語伝習所第二十三回第十回卒業生並職員撮影」と刷られた、第二十三回普通科・第十回高等科の卒業写真。
裏面に、杉浦鋼太郎・飯田永夫・今井彦三郎・佐々政一・千葉胤明・藤岡勝二・木村正辞・鈴木忠孝・菊池寿人・小出粲・尾上八郎ら写真に写る面々の人名と、「普通科卒業生」「高等科卒業生」「講師」「幹事」「来賓者」の肩書が刷られた用紙付。