【商品名】 東京フィルハーモニー交響楽団
第76回定期演奏会プログラム
【開催年】 昭和38年
【状態】 折跡、書込有
【備考・コメント】
菊変判、28P。
客演指揮:林元植、ピアノ独奏:賀集裕子、於東京文化会館。「林元植氏略歴」、諸井三郎 「林元植君のこと」 含む。
“軍人、商人、新聞記者、そして得体の知れない満洲浪人…、男たちは異郷の地での解放感も手伝い、キャバレーでウオトカとダンスを楽しんだあとは、気に入った白い肌の踊り子たちと 「スペシアルルーム」 と呼ばれる地下室へ、あるいは夜の街へと消えていった。わがもの顔にふるまう日本の男に媚びを売り、春をひさぐ白系露人の没落した女たちは哀れであったが、これが 「五族協和」 を掲げる 「満洲国」 の現実でもあった。そして、こうした痴態を横目に見やりながら、ナイトクラブ 「フロリダ」 のダンスフロアで黙々とピアノを弾く青年がいた。朝鮮人の音楽学生・林元植である。”
( 「岩野雄一著 『王道楽土の交響楽』 より」 )